養成塾がめざすもの(2010年3月)

カトリック学校のカトリックらしさの継承の危機を克服し、カトリック学校を、日本社会の中で生きる子どもたちに生きる喜びと希望の光を伝える、活力ある場とする為に、信念と情熱を持った教職員を養成する場が長らく待たれていましたが、昨年度、多くの方々の声を受けて、養成塾が発足する運びとなりました。今年度もご参加をお待ちします。以下に学習の概要を示させて頂きます。

私たちはこの養成塾に於て、キリストの福音のより深い理解を求めつつ、現代社会の声に耳を傾け、そこにおかれたカトリック学校の使命を探ります。そしてその使命に応える力を学校が如何にして身につけていくかを考えます。更にこれらについて、お互いに話し合うことを通して、参加者がカトリック学校の担い手としての自覚を深め、力量を高めていくことを目指しています。

特に参加者同士が互いに与えあうプロセスを大切にしたい、と考えています。その為、本年度は2回の合宿を計画しております。

この趣旨に添うべく、以下のような項目を設けて学習していくことにしました。

1.現代の課題

2.聖書の人間観

3.キリスト

4.弟子・使徒職

5.建学の精神(カトリック学校の多様性の理解)

6.学校の使命

7.児童・生徒の成長

8.宗教科・宗教行事

9.学習・教科の位置づけ

10.教員養成

以上、直面している現実の諸問題を常に念頭に置き、分析しながら、聖書に、カトリックの伝統に、カトリック学校の伝統に光を求めます。共に祈り、考え、分ち合う中で、参加者に多くの気付きと希望が与えられ、そして参加者同士のつながりが、日本のカトリック学校を支える大きな力となっていけばと願っております。

「カトリック学校に奉職する教職員のための養成塾」の運営規則

1.目的:カトリック学校の担い手となる教職員の養成

2.企画・推進委員会:塾の企画・推進のために、推進委員会を設ける。
企画推進委員会は、カトリック学校教育に理解のある有識者たちによって構成する。
企画・推進員会の役割は、以下のとおりとする。
①塾の管理・運営の最終的責任を負う。
②随時、開催し、塾の基本方針に則った年間プログラムや企画などを作成する。
③塾の具体的運営・管理などの実務にかかわる世話役を選任する。
④その他、塾の運営発展に必要と思われる事項を検討する。

委員の任期は四年とする。再任を妨げない。委員長は、互選とする

3.世話役:塾の管理・運営のために、数人の世話役を置く。世話役の任期は三年とする。再任を妨げない。また、世話役は、必要に応じて、企画・推進委員会の開催を要請することが出来る。

4.事務局:専任事務局員を置く。世話役のもとに、塾の運営・管理に必要なすべての実務を行なう。事務局は、当面・・・・・・…に置く

5.塾の会期:各年度の4月から3月まで。

6.塾生の対象:カトリック学校に勤める教職員で、校長あるいは理事長などの推薦のある者

7.日時:基本的に毎月2回、土曜の午後5:00~7:30(八月を除く)

8.会費:参加者の自費負担(受講料、塾の運営・管理に必要な経費などを含む)

9.会場:四谷ニコラ・バレ会議室

10.年に数回、地方の教職員を対象とした研修などを企画する。

「カトリック学校に奉職する教職員のための養成塾」の基本方針

わたしたちは、この「塾」の基本的方針を、次のように定めました。

カトリック学校のアイデンテイテイの源泉としての聖書の学び
カトリック教会の歴史、教義などについての学びと世界のありようについての学び
学校の担い手としての人格力・チームワークを築くカ・管理能力などの学び
カトリック学校の教育の歴史とその多様性の学び

こうした基本的方針のもとに、プログラムを作成し、カトリック学校のカトリックらしさを深め、カトリック学校としての存続と発展に責任感をもって創造的に関わることの出来る教職員の養成に貢献したいと考えました。

私たちがこの学びの場を「塾」と命名したのは、松下政経塾などに触発されたからです。松下政経塾は、「日本はますます混迷の度を深めていく」と「日 本の危機的状況」を予見し、その難局を打開するためには「新しい国家経営を推進していく指導者育成が、何としても必要である」との思いから設立され、今日 までさまざまな分野に有能な人材を送りだすことに成功しております。

私たちも、これにインスピレーションを受け、カトリック学校のカトリックらしさの継承の危機を克服し、カトリック学校を日本社会の中で生きる子供た ちに生きる喜びと希望の光を伝える活力ある場とするために、信念と情熱をもった、ひとりでも多くの教職員を恭成する機関の設置が必要であると判断したので す。

人を育てることは、未来の希望の扉を開くことにつながる、と言われます。理事長・学校長の皆様方には、この「塾」の意図をご理解の上、希望に満ちた カトリック学校の将来を開いていくために、必ずしも将来の管理者として嘱望される教職員だけでなく、広い意味でカトリック学校の担い手として期待できる、 これはと思われる教職員を送ってくださるよう、お願いいたします。

初めての試みとして、学びの場を東京にします。学びの場を東京にしてしまうことから、通える教職員の地域は限られてしまいますが、ホームペニジなど を立ち上げ、その学びが、全国の教職員にも伝わるよう、工夫するつもりでおります。また地域の要望があれば、地域での集中的な学びの場の開催などにも応じ るつもりでおります。

また、私たちの試みは、財政的な基盤のないままの旅立ちになりますので、財政的な面でもご協力・ご援助をいただければ、幸甚です。

有志一同
大原 正義 ノートルダム女学院中学高等学校教頭
小 圷 洋 光塩女子学院初等科校長
斉藤 哲郎 カリタス女子中学高等学校副校長
土 倉 相 仙台白百合学園中学高等学校教頭
中尾 正信 聖マリア小学校校長
浜田 正夫 聖園女学院中学高等学校教頭
水嶋 純作 日星高等学校校長

梶山 義夫 イエズス会管区長補佐
河合 恒男 日本カトリック学校連合会理事長、サレジオ会
杉田紀久子 幼きイエス会管区長
森 一 弘 東京教区元補佐司教
                    アイウエオ順

注 「有志一同」とは、「カトリック学校の希望に満ちた将来のために効果的なプランを検討すること」を主テーマとして開催された第十六、第十七回 のカトリック学校校長・教頭の研修会の場で、参加者たちによって提案された事項の具体化のために積極的な協力を申し出た者たちとその相談相手となった者た ちです。

注 この『塾』の設立に関しては、カトリック学校教育委員会ならびカトリック学校連合会に諮ったものではないことを、明記させていただきます。た だし、その構想と内容に関しては、カトリック学校教育委員会の責任者池長大司教からは、肯定的に評価され、2009年の4月に開催予定のカトリック学校の 責任者である理事長・校長たちの集いで説明するよう

カトリック学校に奉職する教職員のための養成塾 設立趣意書

日本社会におけるカトリック学校教育の重要性を確信する私たち有志は、これからのカトリック学校の更なる発展を願って、この度、カトリック学校に奉職する教職員のための養成塾を設立することにいたしました。今、カトリック学校は転機を迎えているといえます。これまで日本のカトリック学校の大半は、修道会の使徒職・事業の一貫として位置づけられ、修道 会のカリスマによって活かされた会員たちが中心となって、支えられ、導かれてきました。創立者の高遙な理念に息吹かれた修道者や聖職者たちの存在は、教職 員たちを鼓舞し、教育の質を高め、地域社会からの厚い信頼と日本社会からの高い評価をかち得てきました。

また、その存在と働きは、日本のカトリック教会の掛け替えのない存在としてその発展を支える大きなカともなってきました。

しかし、残念なことに、修道会の会員の高齢化や召命の減少などから、修道会にとって、これまでのように学校の現場に会員を派遣し、会の使徒職とし て教育事業を支えていくことは、目に見えて困難なことになってきました。修道者たちの存在と働きが学校現場から消えていくことは、カトリックらしさを証し する力を弱めてしまう恐れのあるものであることは、否めません。またこれが、これまで修道者たちに協力し共に働いてきた多くの教職員たちにも深い動揺と将 来に対する不安を与えてしまっていることも、否定しがたい事実となっています。さらにまた悲しいことですが、すでにいくつかのカトリック学校が、一般社会 の経営母体に渡されてしまったケースもみられます。

事情がどうあれ、修道者たちの減少で、学校のカトリックらしさが希薄になるだけでなく、カトリック学校そのものが地域社会から消えてしまうことは、カトリック教会にとっても、日本の社会にとっても大きな損失といえます。

こうした事態を迎えて、ここ数年来、全国レベルの教職員たちの研修の場やカトリック学校の責任者である理事長・校長たちの集いでは、繰り返し、こ れからのカトリック学校の存続とありようについての不安が語られ、効果的な対策を要望する声が高まっておりました。そのなかで、共通して要望され ていたものが、修道者や聖職者たちの後を継ぐ教職員たちの養成でした。

こうした流れを受けて、私たち有志は、教職員の養成、特にカトリック学校の担い手として期待される融職員の養成こそ、緊急課題であると判断し、そのための「養成塾」を設立することにいたしました。