中3 自己発見ワークショップ

中3には、クリスマス前に「自己発見ワークショップ」という名の1日プログラムがあります。 生徒に一日プログラムを紹介すると、生徒は「え〜っ」という反応をしますが、おそらく6年間の学校生活の中でももっとも忘れられない一日になるはずだと説明をします。

3つのプログラムから成り立っています。毎年少しずつ異なったプログラムになるのですが、私は担当するときは、

第1部 似顔絵コンクール

第2部 ラブレター交換会

第3部 講演 在日外国人の話を聞く

というようなプログラムで行っていました。

第1部は、6人のグループ作業です。グループでお互いの似顔絵を描きます。うまい人、下手なひといろいろいますが、どんなに下手でもどこか似るものです。一人には自分以外からの5人の似顔絵が集まります。こういうチャンスはたぶん生涯この時だけでしょうね。

書き上がったら、5人の自分の似顔をもらって台詞に貼り、グループのみんなにみてもらって、もっともよく表現できているものを選びます。それを集めて、クラス全員のものをB4の台詞に貼り、印刷して終了時に配布します。

第2部は、名前を言うのも気恥ずかしい「ラブレター交換会」です。便せんを6ページ分閉じておきます。机を凹の字にならべて一重につながるようにして、全員に便せんを配ります。まず自分の名前を書いて隣の人に渡します。そこからスタートです。

便せんの1ページ目の一番下に「便せんの名前のひとにあてて、ラブレターを1行で書いていきます。

『あなたの………はステキです』『あなたの魅力は……… です』『あなたの………にひかれます』『あなたが………してくれたことはとてもうれしかった』など1行メッセージを一番下の行に書き、自分の名前を書きます。

書いたらそれを折り返して次に書く人が見えないようにクリップで留めて右隣の人に渡します。だいたいひとり1分くらいの時間で書いて、合図があったら隣にまわします。

「マイナスになることを書いては行けません。名前が書いてあるのでだれが書いたかわかります。それから『あなたはこうでなければステキです』みたいな書き方をするのはルール違反です。相手が喜ぶようなメッセージをあげてください。」

こうやって、クラスの全員が、自分以外からの全員のプラスメッセージを受け取ります。これも生涯こんなことは普通だったら体験できないことです。

苦労するのは、こういうのを書き慣れていないために書くのが遅かったり書けない子がでてくることです。クラスで書くのがいちばん遅い子に合わせなければなりません。早く書けても次にすぐに渡さないように、合図が合ってから書き出すようにすることが大切です。そうしないと書くのが遅い生徒の前で滞留してしまいます。

全員が全員の分を書き終わって自分のものが戻ってきたら、「合図があるまでまだあけないでね」といいながら机を元の位置に戻し、深呼吸をして心を落ち着けてから一斉にあけます。

折り目がたくさんついていて、くしゃくしゃになった感じですが、そのしわを伸ばしながら読んでいきます。 そうすると、教室内を暖かい風がふわーっと駆け抜けていくような感じがして、大騒ぎになります。

「うそー」とか「誰こんなの書いたの」とか書いた人のなまえをよび「ありがとう」とかいう言葉が飛び交います。

「今日もらったものはおそらくみんなの生涯の宝物になるとおもうよ。落ち込んだときにこれを見たら元気が出てくると思うし。どういわれるのが一番うれしいかということを意識してご覧。それを今度は人にしてあげたらいいんだよ」

こんなことを言った後に、生徒一人一人にこれを受け取って感じたこと考えたことをひとことずつ発表してもらいます。 ほとんどの生徒が『うれしい』とか『サイコー』とか言いますが、なかには「こんなの自分じゃない。みんな私をかいかぶっている」なんていうのもでてきて、みんなからブーイングを受けたりする子もいます。

第3部は、在日外国人の人の話や外国で活動した日本人の話を聞く。そういう人たちの目で見た日本と日本人について語ってもらうことにしています。生徒たちにはけっこうショッキングな話しも多いようです。

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