福山暁の星女子中学・高等学校 石部豪清先生

いちばん遠くから参加しています。カトリック学校の集まりは居心地がいいですね。他の私立学校の研修会は腹の探り合いみたいな感じがありますが、カトリック校とだと学校は違っても本質的には変わりないと感じられるからでしょうか、ほっとして安心できます。本校の課題と問題点をありのままにご紹介します。

1.学校の沿革と概略

1946年10月20日が本校の創立記念日です。この日は、フランスにある援助マリア修道会の創始者マリー・テレーズ・ド・スビランの列福式があり、イエズス会のラサール神父様が援助マリア会に日本にシスターを派遣することを要請され、ときの援助マリア会総長エリーズがそれを受け入れた日です。

翌1947年にアメリカ経由で修道女たちが来日、福山に到着して学校の設立を決定しました。1949年52名で第1回の入学式をおこない中学校が出発しました。その後、高等学校、幼稚園、小学校をつくり、1998年創立50周年を迎えて、今年で62年目になります。

中高は女子校、幼稚園と小学校は男女共学です。約60年の間に1万人近い卒業生を出しました。現在の募集定員は120名。中学校307名、高校411名の学校です。シスターは校長以下4名が働いています。教職員は約90名、信者の教員は3名です。

週5日制などをずいぶん昔から実施してきました。単位数は中学34単位、高校は39単位平均で、高校は7校時まで授業を実施しています。卒業生は、地元の中国地方に3分の1ほどが残り、関東に3分の1、関西に3分の1それぞれに進学していきます。

校内にあるカトリック的なものといえば、入学式、聖母祭、追悼式、卒業式、クリスマス会の行事などでしょうか。4校時後に「アンジェラスの鐘」が鳴り、先生も生徒もその場で手を合わせて祈るという習慣があります。釜が崎での体験活動があったり、高2の座禅静修や高2高3の「光りの伝達式」というあたりに本校の特徴が表れているかもしれません。

教職員は、4月の始業ミサに始まり、学期に一度神父さまの話を伺っています。6月の保護者会で司教さまを招いて教員と共に話を伺うこともあります。教員の黙想会もあります。

2.創立の精神

創立の精神として次のようにあります。

イエス・キリストの価値観を大切にしながら、自分に与えられている力を開花させ、他者のために他者と共に生きる女性を育てる。

校訓は次のように定めています。

マリアと共に 神に信頼 己に忠実、互いに睦み、すすんで奉仕

神に信頼と希望を持って力強く、人間らしく、自分らしく、ということです。第1回の卒業生のひとりが今の理事長ですが、その理事長が校長になるときこの「5つの校訓」をつくりました。

「18歳のプロファイル」というのも定めています。これは90年代に教員のプロジェクトチームが、本校の生徒は18歳の卒業の時、こうあって欲しいと願う理想的な姿をイメージしてつくりました。学校案内の一番最初のページに書かれています。

1.「私は愛されている大切な存在である」ことがわかるようになってきています。
2.学ぶ姿勢と身についた学力を生かす力が育ってきています。
3.豊かな関わりを築いていく力が身についています。
4.奉仕する心と実践する力が身についてきています。
5.自己の成長を常に追求する姿勢が身についてきています。

これらは6年間のうちにどこまで具体的に力を身につけてきたかを計る指標となっています。自分が神から愛されているという自己肯定感をもとに、自分を受け容れ人を受け入れ神を受け入れていく姿を描いています。特に自分の力を超えた大きな存在の力を感じることも大切にしています。

イエズス会の Men for Others ふうに言えば、Living with Others, Living for Others となりましょうか、「他者とともに生きる、他者のために生きる」これが創立の精神です。

3.現状と課題

福山市は人口46万人でそこに私学が5校あります。広島大学附属高校のほかに公立の6年一貫校もあるなかで、本校は唯一の女子校です。今年の福山の小学6年生の女子数は2150名でした。その22%にあたる480名が私学の女子の募集枠定員で、それを競合する形になっています。地方とはいえ、首都圏と同じくらいの割合です。
そういうなかで原点に返るということが強調されています。全員が宗教教育に関わり、創立の精神を教えていけるように、一人一人を大事にしていく宗教教育を実施する必要性を感じます。もっと細かいレベルで先生と生徒が交わり、意味づけをして評価をして、誉めて叱って、感動を共有してやっていく、そういう教育を実践していけたらと望んでいます。
社会が即時的刹那的変化を求めるなかで、そうではない側面を大事にしたい、眼に見えないところで支えあう、心の深まりとか精神的な安らぎとか私たちが求めているものを世間の人たちも求めているという確信があります。それを導く教職員をつくるというのが現在の私たちの課題です。

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