3.ペア捜しエクササイズ

 「宗教」「倫理」の授業ではよく作業をします。これはちょっとしたその作業のうちの一つです。
 まず、この作業を皆の前で演じてくれる人12名を募集し、前に出てきてもらいます。そして、その人の背中に「人の名前」を書いたカードを貼ります。
 「そのカードには、たとえば「ロミオとジュリエット」みたいなペアが必ずいます。いまから、そのペアを捜してもらいます。ただし、声を出して話しをしてはいけません。話しをせずにペアを見つけてください。自分の背中の名前はみられないわけですね。
 そしてその他の皆さんは、前に出ている人たちがどういう動きをするのか観察してください。あとで気がついたことを発表してもらいます。」
 「さて、このエクササイズを見て(して)何を感じ、何を考えましたか? 最初にまわりでみていた人に聴きましょう。つぎに、前で演じていた人にも聴きます。」
 「このエクササイズの目的はなんでしょうか? これは参加している人に何を気づいてもらいたいがゆえのエクササイズだか分かりますか?」
 「こういう状況は学校現場のどういう場面で現れますか?」
 こういうふうに、作業を見直しながら、それをして気づいたことを報告し合います。作業(エクササイズ)をとり入れた授業では、かならず見直しをして、その作業をして気づいたことを分かち合います。その作業の狙いや解説は最後にするようにしています。
 この作業を見なおしていると、見ていた人が最初に気づきます。それは自分のペアのことばかり考えていると、なかなかできないということなのです。自分のことは分からないけれど、人のことは分かるということに気づくわけです。それに気づくと自分のほうは後まわしにして、人と人を結びつける働きをしようとします。声をかけることはできないから、人の手を引っ張っていって、相手の人と手をつながせます。多くの場合そのように動く人が現れるのですね。
 ところがまじめな人は、それはルール違反ではないかと思ってそういう行動にはなかなか出ようとしないのですね。声を出して話すことは禁じたけれど、パントマイムで何かを知らせることは禁じられていません。
 それは、ある発想の転換なのです。自分のことよりも相手のことを先に考えること、自分は最後になってもいいから、人と人とを結びつける世話をすること、その気付きがこの作業を早く終わらせることができるのです。

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